アクリル樹脂塗料は、鮮やかな色合いと速乾性、手頃な価格で魅力的な塗料ですが、耐久性が低く、外壁塗装で使うには少し不安が残ります。

　この記事では、アクリル塗料の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、他の塗料との違いを比較！塗料選びに迷っている方には必見の内容です！(^^)/

アクリル塗料とは

　アクリル塗料とは、アクリル樹脂を主成分とする塗料のことを指します。
　塗膜が硬く、発色が良いため、建築用や工業用など幅広い用途で使用されています。
　特に、手頃な価格と扱いやすさから、住宅の外壁や屋根の塗装、家具や工業製品の塗装などに多く用いられています。

　速乾性があり、鮮やかな発色が特徴です。紫外線に強く、耐候性に優れた種類もありますが、基本的には耐久性がやや低めで、定期的な塗り替えが必要になります。

　アクリル樹脂塗料のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう！

アクリル樹脂塗料のメリット

手頃な価格

　アクリル塗料の最大のメリットは、コストの低さにあります。

☑ アクリル塗料の1㎡あたりの価格目安：1,000円～1,500円

　現在主流となっているシリコン塗料（2,500円～3,500円）と比較すると、かなり経済的であることがわかります。

豊富な色展開

　アクリル塗料は発色が良く、塗装後の仕上がりが鮮やかになるのが特長です。

　また、カラーバリエーションが豊富で、好みに合った色を見つけやすいのも利点のひとつです。

　外壁塗装ではあまり使用されませんが、紫外線の影響を受けにくい室内では耐久性の短さが問題になりにくく、デザインに合わせた多彩な色選びができるため、インテリア塗装でよく活用されています。

優れた透湿性

　アクリル塗料は湿気を通しやすい性質を持ち、塗膜が呼吸するように湿度を調整できます。
　外壁内部に溜まった水分が蒸発する際、塗膜が通気性を確保することで、外壁材の乾燥を助け、劣化を抑える効果が期待できます。

　特に、ALCパネルなど吸水性の高い外壁材には、透湿性に優れた塗料の使用が推奨されています。

施工のしやすさ

　アクリル塗料は1液型の商品が多く、取り扱いが簡単である点も魅力です。

　ここで1液型と2液型の違いを簡単に説明します。

☑ 1液型：他の成分と混ぜる必要がなく、余った塗料は保存して後日使用可能。
☑ 2液型：硬化剤と混ぜて使うため、施工時に調合が必要で、その日のうちに使い切る必要がある。

　1液型が主流のアクリル塗料は、現場での混合作業が不要なため、手軽に使用できます。
　撹拌の手間がないため、DIYで家具や室内の塗装をする際にも扱いやすく、人気があります。
　なお、2液型は作業工程が増えるものの、1液型よりも耐久性が高いというメリットがあり、現場の状況に応じて使い分けられています。

アクリル樹脂塗料のデメリット

耐久性が劣る

　アクリル塗料の耐用年数は最長でも5～8年程度とされており、他の塗料と比較すると塗膜の寿命が短い傾向にあります。
　外壁塗装においては、耐久性や次回のメンテナンスまでの持ちの良さが重要視されるため、単に価格が安いという理由だけでは採用されにくくなっています。

ひび割れが起こりやすい

　アクリル塗料は塗膜が硬く、温度変化や外部からの衝撃によってひび割れが発生しやすい特徴があります。
　可塑剤を配合することで柔軟性を持たせることもありますが、この成分は紫外線の影響を受けることで徐々に揮発し、結果的に塗膜が硬化してひび割れを引き起こします。
　
　ひび割れが発生すると塗膜が外壁から剥がれやすくなり、さらに隙間から雨水や湿気が浸入しやすい状態となるため、本来の防水・保護機能を十分に果たせなくなります。

劣化スピードが速い

　アクリル塗料は耐候性が低いため、劣化が早く、頻繁なメンテナンスが求められます。
　初期費用は比較的安価ですが、短いスパンで再塗装が必要となるため、長期的に見ると他の塗料に比べてトータルコストが高くなるケースが多いです。

　特に、足場設置費（相場20万～30万円）や職人の人件費など、再施工ごとに発生するコストを考慮すると、費用対効果の面では他の塗料に大きく劣ると言えるでしょう。

アクリル樹脂塗料と他の塗料の比較

　アクリル樹脂塗料と、ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料の違いを比較すると、以下のようになります。

塗料の種類	耐用年数	費用相場（㎡単価）
アクリル塗料	約5～8年程度	1,000円～1,500円/㎡
ウレタン塗料	約7～10年程度	1,800～2,500円/㎡
シリコン塗料	約10～13年程度	2,500～3,500円/㎡
フッ素塗料	約15～20年程度	3,500～5,000円/㎡

まとめ：塗料選びは外壁塗装の仕上がりを左右します。適切な塗料を選びましょう！

　アクリル樹脂塗料は、かつて外壁塗装の主流として広く使用されていましたが、現在ではほとんど採用されなくなっています。
　最大の理由は耐久性の低さで、アクリル塗料の寿命は約5～8年と短く、頻繁な塗り替えが必要になるためです。

　また、紫外線や気温変化による劣化が早く、ひび割れが発生しやすいという欠点もあります。さらに、外壁材の保護機能が不十分になりやすいため、防水性や耐候性に優れたシリコン塗料やフッ素塗料が主流となっています。

　そのため、アクリル樹脂塗料は現在では屋内塗装やDIY用途で使われることが多く、外壁塗装ではほとんど見られなくなってきました。

　外壁塗装の仕上がりや耐久性は、使用する塗料の種類や品質によって大きく左右されます。

　安価な塗料を選んでしまうと、見た目はきれいに仕上がっても数年で劣化が進み、塗膜の剥がれやひび割れが発生する可能性があります。

　一方で、耐久性の高い塗料を選べば、長期間にわたり外壁を美しく保ち、再塗装の頻度を抑えることができるため、結果的にメンテナンスコストを削減できます。

　また、塗料には防水性・遮熱性・透湿性など、それぞれ特有の機能があるため、建物の構造や環境に適したものを選ぶことが重要です。塗料の特性をよく理解し、耐久性とコストのバランスを考慮した適切な選定を心がけましょう！

　街の外壁塗装やさんでは、塗料に関するご質問やご相談を受け付けております。経験豊富なスタッフがお答えいたしますので、なんでもご相談いただければと思います！

　また、塗装前の点検・お見積りの作成も無料で承っておりますので、外壁塗装をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください！